石川県の能登半島最北端に位置する珠洲市で、塩づくりに励む新海塩産業。
「私たちの生活に欠かすことのできない大切な資源である“塩”。無くてはならないものだからこそ、丁寧な塩づくりを続けていきたいと思います。」と目尻を下げて話してくれるのは、2代目代表の紅谷光昭さんです。

美味しい珠洲の塩を、いつでもみなさんのもとへ。

石川県の奥能登地域では、古くから塩づくりが盛んに行われています。
塩の製法にいくつか種類がある中でも、能登半島の伝統的な製法は『揚浜式塩田(あげはましきえんでん)』です。しかし、新海塩産業では北陸で唯一の『流下式塩田(りゅうかしきえんでん)』という製法で塩づくりを行っています。
流下式塩田では、室内に設置されている“すだれ”に海水をかけ流し、循環させてできた塩分濃度が高い“かん水”と呼ばれる海水を作ります。そして薪を燃やし、かん水を大釜で煮詰め、塩を生み出していきます。
「安定的に塩づくりができるので、いつでもみなさんに珠洲の美味しい塩をお届けできます。」と話す紅谷さん。揚浜式塩田に比べて、天候や季節に左右されることなく年間を通して塩づくりに取り組めることも特徴的だそうです。すだれがズラリと並ぶ様子は、美しく迫力があります。

アイディアを交えた、彩り豊かな塩づくり。

定番商品『のと珠洲塩』をはじめ、ピンクや茶色、緑といった豊富なカラーバリエーションの商品に心が躍ります。中でもひと際目を惹くのは、真っ黒な塩。
「黒い塩の『珠洲の竹炭塩』は、山から採取した青竹の中に塩を詰め込み、炭焼き窯で二週間程度焼き上げてできたものです。竹の旨み成分が溶け込み、香ばしい風味に仕上がります。焼き肉などお肉料理におすすめの商品です。」と話す紅谷さん。自身で企画し、地元の炭焼屋さんと一緒に試行錯誤して商品化に至ったとのこと。アイディアを交えた塩づくりも注目のポイントですね。


また、大粒の『花の塩』は製造工程がひと味違うそうです。
新海塩産業では、日中だけ釜を焚いて塩づくりを行っており、夜間は火を止めています。火を焚き始める前の早朝に、気温や湿度がごく稀にそろった時に釜の上澄みにできあがる塩の結晶を集めたものが『花の塩』となります。
「この塩の結晶は、毎回作りたいと思って作れるものではありません。偶然にできあがるものなので、とても貴重な塩です。見た目も美しいので、お酒のおつまみやお料理の飾り塩としてもお楽しみいただけます。」
お料理に合わせた塩選びができるのも、楽しみのひとつですね。

珠洲の海水から生まれた“ありのまま”の塩づくり。

製造業の工業化が進む現代で、海水だけを使った純粋な塩づくりに手仕事で取り組み続けている新海塩産業。薪で火を焚いたり、大釜の中からトンボを使って塩をかき集めて取り上げたりと、塩づくりの全ての工程に人の手が加わっています。
「珠洲の海水100%の手作りの塩の美味しさを、世界中の人に味わってもらいたいです。世界基準の徹底的な品質管理を行いながら、これからも真面目に塩づくりに向き合っています。」と胸を張って語る紅谷さん。
珠洲の海が誇る天然の塩づくり文化を、これからも守り続けていきたいですね。


新海塩産業では、塩づくりの副産物を活かしたアイディア商品も販売しています。海水から塩を作る際に生まれる、余剰なミネラル分を多く含む液体の“にがり”を製品化した『能登半島珠洲のにがり』は、豆乳に数滴加えると豆腐が作れる一品となっているそうです。

珠洲の海水100%の天然塩から生まれるバリエーション豊かな商品をご賞味ください!