庄川の豊富な伏流水が流れ込み、良質な湧水にも恵まれた富山県射水市。この立地条件を最大限に生かし、水産加工品を丁寧に作り上げている鈴香食品。
「富山湾は日本海側全体の6割を超える種類のお魚が採れます。本当に恵まれている地域なんですよ!」と熱く語るのは、鈴香食品の専務取締役で次期継承者の阿原研也さんです。
身近に感じていた“人の手間”。
研也さんは、幼い頃から水産加工業にご縁があったそうです。
「私の祖父はかまぼこ屋を営んでおり、母も細工かまぼこ職人として働いていました。かまぼこで鯛や富士山を丁寧に作り上げていく様子を、幼いながらに側で見てきました。ひとつの商品が出来上がるまでには、人の手間がかかっているということを身近に感じていました。」
※細工かまぼこ:富山ならではの文化で、婚礼や人生の様々な節目、お祝いなどに使われています。
県外の水産加工品メーカーに勤め、全国を飛び回っていたという研也さん。富山に戻ってきて改めて感じたことがあったという。
「富山は食品の出し方や鮮度がピカイチです。素材そのものの美味しさはもちろんのこと、手の加え方にも丁寧さを感じます。お料理は何を食べても美味しくて、美しい。これは全国に誇れるポイントですよ。」と誇らしげな様子でした。
いつもの食卓を豊かにする一品を届けたい。
鈴香食品は昭和59年に研也さんの父 阿原勤(すすむ)さんが立ち上げた会社です。“天然のいけす”と呼ばれる富山湾で採れた新鮮な魚介を利用し、素材そのものの旨味を引き立てた商品づくりを行っています。リピーターには、健康や食に興味をもっているお客さんが多いそうです。
「創業当初からこだわって提供している『海苔の佃煮』や『昆布巻き』は、食品添加物を使わない伝統的な作り方で、土地ならではの素材を活かしています。まさにスローフードそのものです。じっくり煮てからねかせることで、本来の旨味を引き出しています。私たちがつくる“いつもよりちょっと良い一品”を、ぜひ食卓に並べてみてください。」
現代の食卓では時短メニューも人気ですが、一品だけでもスローフードを気軽に取り入れることで食卓がより豊かになりそうですね。
時代の変化に合わせた商品を提案していく。
鈴香食品では新しく『キトキトキッチン事業部』を立ち上げ、新たな美味しさの提案に挑戦しているそうです。
※キトキト:新鮮で生き生きしているという意味の富山の方言。
「キトキトキッチンでは、魚介を使ったディップソースや燻製、オイル煮やスープなどの新しい商品を企画しています。和洋の領域を超えて、いろいろな食べ方の提案を広げていっています。食べてもらうことによって、食に対する豊かさの気づきを与えられたら嬉しいですね。時代の変化に合わせて、常にブラッシュアップし続けていきたいです。」
富山湾が誇るキトキトな食材の味を、バラエティ豊かなラインナップで全国へお届けしているのですね。
また、キトキトキッチンのホームページでは商品を使ったレシピが紹介されています。お料理の美しい盛り付け方も、とても参考になりますよ。
「食は、体をつくるすべてだと思っています。とっても大切なことですよね。これからもお魚を通して、みなさんに笑顔になってもらいたいです。」と柔らかく微笑む研也さん。食への想いと、お魚への愛をひしひしと感じました。
鈴香食品の豊かでやさしい風味の品々を、みなさんもぜひご賞味ください。