石川県が誇る有数の米どころ白山市にて、明治2年からお酒を造り続けている金谷酒造店。
平成15年からは酒造りだけでなく、金谷酒造の酒蔵を改装したフレンチレストラン「高砂茶寮(たかさごさりょう)」を開業。訪れる人々に日本酒と美味しいお料理を提供している。伝統の酒造りを続けながらも、お酒の楽しみ方をさまざまなアプローチでみなさんにお届けしています。
今回取り扱う金谷酒造の商品は、厳選の石川県産米を使用した『麹あまざけ』。家族みんなで楽しめるノンアルコール飲料です。
歴史ある酒造の八代目を継承するために修行中の金谷崇史さんにお話を伺いました。

歴史を重ねた酒造りを絶やさない。

金谷酒造は明治2年に酒造りを始めました。『酒文化に貢献する』を理念に酒造りを続けています。現在、八代目を継承するべく修行中の金谷崇史さんは、金谷家の三兄弟の次男として生まれ育ちました。
「実は、最初は家業を継ぐつもりはありませんでした。酒造りは長男が継ぐだろうと思っていたからです。私は、例えば居酒屋などで金谷酒造のお酒を取り扱う商売をしたいなと幼いながらに考えていました。酒造りに直接関わらずとも、間接的に携わりたいと思っていました。」金谷さんの家業への愛着と誇りを感じられます。

しかし、酒造業界が衰退していく厳しい時代。兄弟たちはお店を継ぐことに難色を示しました。父である七代目の金谷芳久(よしひさ)さんは、後継者がいなければお店を畳んでしまおうと考えていたそうです。
そんな中、歴史のある酒蔵を絶やしたくないという想いで継承を決意した金谷さん。他業界で培ったノウハウを活かしながら、厳しい酒造業界を盛り上げるべく立ち上がったのでした。

経験を活かし、伝統に新しい息吹を。

金谷さんは以前、大手自動車メーカーの車の開発や製造を行っている会社で働き、事業の立ち上げのための知識や商品開発のノウハウについて学んだそうです。
「振り返ってみると、お酒も車も同じ製造業として共通する部分がありました。現場には職人気質の方々が多く、コミュニケーションを交わす上で苦労することもありました。現在の酒造りの現場でも、経験と学びが活きていると思います。作り手とのコミュニケーションは大切ですね。」

歴史ある酒造を受け継ぐにあたって、伝統と革新の両立が難しいと話す金谷さん。
「昔からのお客様には、毎年安定した味を提供できるかがポイントとなります。一方で、若い人たちにはこれまでの酒造りでは通用しません。お酒を楽しんでもらうにはどうしたらいいのか、新たに考えなくてはなりません。私が金谷酒造に入ってからは、酒造りに新しいメンバーをたくさん迎え入れて挑戦を繰り返しています。」

また、商品開発でも車業界で学んだ商品開発の経験が活かされているという。
「酒造業界では、いかに“自分たちならではのこだわりの製法で造ったお酒か”というポイントをアピールしてお客様に商品を売ることが多いと思っています。しかし、私たちは商品を企画する段階で、自分たちのこだわりよりも先に、お客様の生活スタイルに寄り添った商品を提案したいと考えています。例えば車も、乗る人がどんなライフスタイルなのかによっておすすめする車がガラリと変わりますよね。どんなお客様に楽しんでもらいたいかを明確に見据えた上で、新しい商品開発を行っています。」

日常に寄り添った商品を提案。

今回販売する『麹あまざけ』は、北陸三県で1人しかいない『5ツ星お米マイスター』と共に試行錯誤して厳選した石川県産のお米で造った甘酒です。
「どうして有名なコシヒカリを使わないの?とよく尋ねられるのですが、コシヒカリは粘り気があるので飲料には向いていないと考えました。サラッと飲めて甘みが残らないほうが飲みやすく、愛飲しやすいのです。健康のための毎朝の“いつもの一杯”として飲み続けていただけると嬉しいですね。」
甘酒を特別なものではなく日常的に楽しんでもらいたい。
親しみやすい『麹あまざけ』の優しい味は、リピーターも多いそうです。

まっすぐな眼差しで「子供たちの世代にも誇れるようなお酒造りを続けていきたいです。」と話してくれた金谷さん。酒造業界の魅力をさらにアップデートするべく、金谷さんの挑戦は続きます。

みなさんも、日々の健康を支える栄養満点の『麹あまざけ』をご賞味ください。